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体験記第6回 「裏リ−マン太郎登場!ー渋谷ももいろ娘(旧Office Story)」の巻
渋谷3本勝負 第2弾

 俺の名は裏リ−マン太郎。
現代文明の闇に生き、失われた鍵を追って自らを旅する男

外れにありて外道ではない。ある人は言う。その存在理由とは自己革新であり、自己療養だと。
今日も街の風が吹く。人々は街路樹で憩い、妥協した思いを貼付けた実体のない居場所に集う。
しかし、俺には街の風が痛い。どこへ居ても痛く吹きすさんできやがる。吹きすさんだ風が不完全燃焼に生きる俺を責めやがる。あどうして人は過渡期にある存在を守ってやれないのか。どうして脳みそに顕在するイメージを、決めつけた形で押さえつけようとするのか。どうしてグラタンの生煮えチーズを取り出してまったく別 のものにしてしまうのか。どうして鉄棒する●ナニ−少女に触れようとしてしまうのか… 俺にはそれが痛くてたまらない。
くたくたになった伝書鳩の屍が無造作に受話器に置かれている。使い方を間違えた人間の歪んだ自我が、後戻りすることなく無気力な慣習に同調する。代償はとても大きい。前近代の仮面 をまとった化け物が、いっそう巨大化して、あざ笑っている。
 まるで真実じゃない。

 と考えていた俺の目の前に、気がつけば渋谷百軒店町。
裏リ−マン太郎はここでさすらう。さすらおうとしたところ、さすらいの一里塚で、俺の心はとらえられた。


 折しもその日は、「イエ−メッチャホリデー」であった。 俺は花を求めていた。一歩先の杖をつけず、花が撒かれた、若鶏の尻尾でできた布団を欲していた。
 激しい頭痛がして、闇の声が聞こえた。
「男マン太郎!くすぶれる人生の根元におびえながら、花など咲かせてはイカンザキ」 (ポチャン 蛙×1)
 
  …。

俺は迷わず重い体を引きずり、「ピカピカ商事」の扉を開けた。

 
 そしてまず俺はそこで、「ピカ商」を探した。そこでピカ商を見つけられなければ、俺の今日は終わらなかった。しかし、出てきたのは「ピカ商」ではなく、浜省でもなく、店長だった。

「いらっしゃいませ」
丁寧な応対に、俺は気分をよくした。 もしかするとこのお兄さんが俺を癒してくれるのかとも思った。しかし、忙しそうだった。

店長は、うやうやしく数枚の写真を差し出した。
どの女も丁寧にパッケージされた上質な女のようだった。
俺は、官能と退廃の似合いそうな女を指名した。
女は、「まりあ」といった。

  部屋へ入るや否や、俺は後ずさりして扉に貼り付いてしまった。鏡のついた小さなビジネスデスクにできたばかりの清潔な小部屋。この雰囲気にして、風俗が本来持っていた暗さを十分に映し出していた。俺は圧倒されて扉に貼り付いたまま、しばらく忍者のように表裏とドタバタしていたが、やがて重心が崩れるようにへなへなと投げ出された。「何しに来たのだ?」俺は自分に問いかけた。
「最高でも金、最低でも金」という柔ちゃんのお言葉が俺にのしかかっていた。俺は言葉を探した。 そして思わずその問いを発してしまった。
「人はどこから来てどこへいくのでしょう。ラ…」
ば、場違いでしたカ
女は、憐れんだように俺を見る。 いかん、そんな目で見られては。これではまるで第3話と同じ展開ではないか。(私はM男です。踏んで下さい参照)
俺は南春夫のようにゆっくりと立ち上がり、ジュリ−の「抱きしめたい」を歌い出し、ワンコーラスの間にシャワーを済ませたが、フルコーラスまで歌ってしまい、「オイ、長いよ」という突っ込みを待っていたのだが、案の定誰も来なかった。俺はタオルを巻いた。

 
  俺はふと思い出した。文明の病セクハラコースを選んでいたことを。部屋の外では文明時代の中で戦い続ける戦士達が列をなして待っている。俺は意を決した。
 部屋に戻ってみると、女はアイマスクをして机の前に座っていた。そこではこれから起こりうる罪な行為が開かれていた。
 俺はその女の静かさに馴染むように背後に忍び寄った。胸元がちらっと見えた。手を出さねば開かれない空間。そこへ俺は手を忍ばせようとしている。
女は細い肩をしていた。張り巡らされた文明の掟から、何かを守ってきた肩だ。そう考えると俺は泣きそうになった。泣きそうになりながら女の肩骨の辺りを大事なもののように撫でまわした。そして激しく欲情した。この勢いではもう、口にくわえてなだめてもらう他はなかった。
 俺はファーストダウンを獲得する情熱で女の目の前に回り込み、茂みに指を当てると、女にピストン運動を命じた。女はかすかに動き出した。
この女は濡れていない。それどころかきっと別の事を考えている。それでいい。 同じような気持ちになったなら逆に悲しい。俺は女にとって「人間から遠く離れたもの」なのだ。俺は虫であり、動物なのだ。

 そのとき俺ははっとした。 女の下の口から滴り落ちる感触を認めたからだった。突然何もないところに、ぬ めりの渦ができている。俺は女を見た。女はアイマスクをしながらじっと耐えていた。
 俺には判った。俺は女のマスクを外し、女が自分と同じであることを悟った。女の「次回は恋人コースでね」 というまなざしに俺は無言で頷いた。そして衣服をすべて脱ぎ捨てた。
女と俺の無言劇が続き、俺は物語の芽をつまぬように、女の折れた後ろ姿をひたすら愛撫するという、単純な行為を繰り返した。そして女の襞に生まれた渦が、匂わんばかりに滴り落ちるのを待った。

俺は、無人島に生きる人間のあてどもない痛みを思った。
俺は、小箱に眠る、錆び付いたペンダントの痛みを思った。
俺は、未だくすぶれる俺自身の痛みを思った。

 5分前を告げる鐘が鳴った。
女はふたつ大きく息をついて、どちらともつかない俺をゆっくりと押し倒した。俺はぐったりとして女を見た。
女は俺のそそり立った一物に口にやると、想像もつかない濃厚さでしゃぶり出した。女の唇と舌が、完全に俺の生気を支配した。大きな壁を超越した、救済のジュルンジュバンという音が壁に乱反射するように響きわたった。
 俺は闇をまさぐるように女の尻を求め、息が止まるかと思うほど顔を押し付け、泣きながら口内発射した。異様なほどの量 の精子が出たことを、女の表情から認めた。そして女にもう動かぬ様命令をし、延長の30分間ずっと俺は、この女の財産とも言えるスレンダーな腰のラインを眺めていた。
・・
女は俺の言われるまま、じっとしていた。心地よい眠りが次第に俺をとらえ、俺は目を閉じて、何かが取り戻されてゆくことを精一杯感じようとした。

 
 それは俺が、毒のように持ち続けていた思いと胸のつかえが、この不可解な性行為という形でとれてゆくことを指していた。俺は自分の体をそっと撫でてみた。そしてここだよ…という存在をかすかに確認した。俺はちゃんと生きていた。俺は自分を飼い馴らしながら賢く生きられる、生きてゆこうと思った。離合と集散、破壊と創造を劇的に繰り返す運命的な循環に思いを馳せた‥。

俺は女を抱き起こした。 女は嬰児のように無言で俺に抱かれ、大きな瞳で俺を見つめてくれた。
俺ははじめて女に口づけた。

 店を出ると、代わり映えのない騒音と喧噪…
 俺はふと思う。 「肥えさせられたアダルトチルドレンのままでいるよりは、あえて少年の心を持って壊してしまった方がいい何かがあるのかもしれない」と。それはものごとに対し少しの諦めをもち、本当の自分らしく前に進んだ方がいいということでもある。世界は、すべてそこにあったものであると同時に、「絶えまなく続く無明」であるのだ。 作りあげられた現実をシリアスに受け止め、そこから潰れることを知る者に俺は共感する。そして潰れても這い上がれる者のための社会こそ、真の社会だ。真の社会が出来、絶えまなく続く人生を心から祝福できる日を夢見て、俺はまださすらうのだ。

キットケッカデルヨ ! 有リガトー。俺は呟いた。

年末年始も精をだし出勤するまりあ嬢に拍手。


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