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体験記第7回 「花の乙女心を訪ねてー渋谷ももいろ娘」の巻
渋谷3本勝負第3弾

  マンタローレポートによれば、ロリータコンプレックスいわゆるロリコン文化を支えているのは、大学生を中心とした、モラトリアム世代の若者と思われる。
「ラナちゃん。おじさんはね、おじさんはね。」
「クラりすう〜!」
など笑いばな史にまで残る流行語をこの世に排出したのは、80年代、まぎれもなく40
世代だった。だがいまや、社会変動などなどにより、ロリコン男性の低年齢化はいまや、そこかしこで認められている。 マニアックな世界観が普遍性を獲得したのだ。しかしこれは少々ややこしくも悲しいお知らせでもある。少女の美しさは即ち触れてはならぬ ものを想起させ、それについつい引き寄せられる男性の間の悪い姿は、やはり見たくないもののひとつであるから。
 しかしながら、少女の持つ乙女心は確かに人を、社会を揺り動かすものなのだ。今の時代、何かを裁く権利のあるものといえば、もはや乙女心だけなのかもしれないとマンは思う事がある。汚れなき乙女心、それが生まれる瞬間を確かめたくて、少女マンガを読んでみたり、少女の成長するストーリーの映画を見たり、そうこうしているうちに、危うく女装趣味寸前のところまで行きかけたことも。(本当だけにコワイ)
 かアーっ!もういい、マンは決めた。男子若年にして人格定まらざれば、少女を口説くこと能わず。男は道徳分別 のある相応の年齢になるまで、乙女に自分から口をきくべきでないのである。 衣食足りて礼節を知ると言うが、礼節なきものロリータに近寄るべからずである。 そうだ法律つくってもらおう。
 とにかく、乙女心というものはいわば、アンチテーゼをもたない絶対的な価値観であるのだ。それは永遠の憧れにつながっており、決して汚してはならないものなのだ。たとえその心が、彼女達の周りに、しばしば解読不可能な空気を作ってしまうとしても、その気高さたるや、みじろぎもしない。私はこれまで百人を超える風俗嬢達と接し、話をしてきたが、一様に感じてきたことは、金や欲にまみれる最前線の位 置にあって、またそれゆえに、彼女達は彼女達なりの乙女の論理をもって生きているということだった。それは「金持ちになりたい」「強くなりたい」という男性の、悲壮な願いをはるかに凌駕し、かつ寄せつけぬ スーパーバイズなものであったのである。
 なのに、かくほどに大切な乙女心、その愛すべき心を踏みにじるような行為は、今の世に満ち満ちて、いる。毎度の如くテレビニュースに報じられる無惨な現実は、あらゆるキャスターをして、乙女の嘆きに唇を合わせしめる。彼等は自らの言葉から男性フェロモンの臭いを消すことで、なみなみと注がれた社会現象の毒塊とようやく向かい合うことができるのだ。社会の創造物として見続けるにたえないものを、少女の冷たい刃の視線と絡ませながら。そして家に帰り「あ、おかえり。」という一言を聞くまで、その世界をくぐり抜けながら、世界を否定し続ける。これが、現代社会。給食袋さげてルンルン気分なんてことは、当然ない。

  で、このつらい現実に耐えている殊勝なあなたがたが、乙女心に触れるために存在しているのが、渋谷イメクラ「ももぐみ」だ。ここはまぎれもなく乙女の園なのである。まなざしひとつで男を変えてしまう美少女たち。店内の写 真を見れば、顔を赤らめてしまうほどの美少女達があなたを待っている。叱ってもらうもよし、気障なキャラで乙女に夢を見せてあげるもよし、あなたはここで日頃の鬱憤を晴らせばいい。 しかしここで起こったことを決して外で実践できると思わぬように。あなたは現実に地獄を見い出すのみならず、愛すべきキャラクタ−も喪失し、はては犯罪者とよばれてしまう。そもそも人間フェルマータ、現実社会に過度の期待を抱くことは避けるべきなのだ。田中レナのような娘が欲しいと思っていると、「お父さんと一緒??やだあ」ということになってしまう。はしから眺めるぶんには、まあきれいごとかもしれないが、ありふれた平和を弾かれ、二重苦三重苦の現実に身を置かれること無きよう、熱くご注意申し上げるしだいで候。

 今回私が訪ねたのは、このももぐみで週に5日も出勤していると言う、『ありす』ちゃんである。
「やさし過ぎるは罪のうち」そんな言葉がよく似合う女の子だった。大きな乳房を隠す指がブラをゆっくり外し、私は時が染み渡ってゆくような瞳で見つめられた。真っ白なキャンバスのように汚れがなく、あるいは全く別 の郷に生きている女性のような臭いがあり、それが私を尻込みさせた。この子の危うさは、男を天使にも、悪魔にも変えてしまう。きっと、この子の心の隙につけこんで騙そうとする男が、いつか現れる。いや、もう現れているかもしれない。 常連客達の叫びが聞こえてくるようだ。 「ありすちゃんはね、ぼくたちといちゃいちゃするんだよ。お前になんかわたすものか。このおたんこなす!」と。
 「私って、ことわれないんです。悪いなと思っちゃって。」と分析。自分の口から優柔不断なことを認めている。それでいて、この仕事を続ける限り、お客が彼氏なんだと思うようにしていると彼女はぼそりと、言った。 彼女にとって、ここでこうして働いていることが、答えなのだった。
きっと、そういうことなのだろう。

 小さい頃は大人しく、人の後ろについていくような子供だった。幼な心にも強いものにひかれてきたという。そしてやがて、好奇心いっぱいの女の子に成長してゆく。今は、お金と社会勉強が、この仕事をしている理由だとか。それなりに前向きに生きていかないと、人の波にずるずると引き込まれてしまうことを、近頃つとに感じるのだそうだ。今の自分を振り返り、ささやかな日記もつけ出したという。
 「頭で考えるけれど、行動しないですね。」
いつの間にかついてきた、自分なりのライフスタイルのようだ。しびれるほどクールな一面 を感じてしまうのは、とりあえず、何不自由ない生活のもたらす余裕かもしれない。
 風俗へ行く男性のイメージについて、聞いてみた。
「ストレスがたまっている人が多いですね。仕事中なのにさぼって来る人達にはびっくりしました。」
この非日常の空間で起こる様々なことは、花の乙女である彼女を、甚だしく圧倒させたようだ。彼女はそのひとつひとつに、驚きと畏敬の念を持って語ってくれた。

 
 残念ながらそろそろ時間がなくなり、私はありすちゃんに最後の質問をした。今の世は好きですか?と。
「無人島で暮らしたい。」
彼女はそんなことを言った。

「この世はあんまり好きじゃないですね。でも、将来は介護の仕事をするつもりです。」
本当は何を言いたかったのだろう。
ただ、彼女はよく見かけられるお気楽な娘とは違う。騙されたり、つらい経験もしてきただろうことは、言い淀んだ言葉の端々から感じられた。
「みんな手をつないで協力できればいいのに。」
彼女はそう言って、黙り込んだ。

 いずれにせよ、彼女の本当の人生はこれから始まるのだ。
彼女がこれからも、磨きをかけた自分を一段一段築き続けていけるよう、影ながら応援している。

追記
今回は趣向を変えて、乙女心をテーマにした、インタビュー式の体験記となった。ただ、彼女の口から乙女心の実体なるものを語らせるまでに至らなかったことは、後悔される点であった。男性観の変遷と、彼女の心の動きをおりまぜながら、もっと生き生きとしたレポートにしたかった。
そして結局、おいしそうなあのおっきなおっぱいにも触れることはできなかった。 それは次回にとっておこう。だらだら話しでもあったが、これはこれで、私も非常に楽しかった。
左様ならば今日はこれにて、グッドバイ。



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